アメリカでの仮想通貨に対する規制は、連邦レベルと州レベルの規制の二つの規制が存在します。
連邦レベルの仮想通貨への規制
- SEC(証券取引委員会): SECは証券取引所と証券取引活動を規制しています。特に、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)を通じて提供される場合やHoweyテストで示される基準を満たす場合、仮想通貨やトークンは証券と見なされる可能性があります。したがって、そのような仮想通貨やトークンを取引する取引所は、SECに登録する必要がある場合があります。
- FinCEN(金融犯罪取締ネットワーク): FinCENは、米国財務省の機関であり、マネーサービスビジネス(MSB)を規制しています。取引所は、資金洗浄(AML=アンチ・マネー・ロンダリング)および顧客の身元確認(KYC:ノウ・ユア・カスタマー)規制に準拠する必要があります。これには、不審な活動の報告や顧客の身元を確認することが含まれます。
- CFTC(商品先物取引委員会): CFTCは商品と先物市場を規制しています。ビットコインやその他の仮想通貨は商品として分類されるため、仮想通貨デリバティブや先物契約を提供する取引所はCFTCの監督対象となります。
- IRS(米国内国歳入庁): IRSは、税務目的での仮想通貨取引の報告を個人に求めています。取引所はIRSの報告要件に準拠する必要があります。これには、一定の閾値を満たす顧客に対してフォーム1099を提供することが含まれます。
州レベルの規制
- マネー送金業法: アメリカの多くの州には、仮想通貨取引所がその管轄区域内で運営するためにマネー送金業者ライセンスを取得することを要求するマネー送金業法があります。これらの法律は、資本準備金、消費者保護、コンプライアンスに関連する要件を規定しています。
- BitLicense(ニューヨーク州): アメリカのなかでも仮想通貨に対して厳しい規制を持つことで知られるニューヨーク州は2015年にBitLicenseを導入しました。BitLicenseは、州内で運営する仮想通貨ビジネスに必要な特別なライセンスです。BitLicenseは、サイバーセキュリティ、AML、消費者保護法へのコンプライアンスなど、取引所に厳格な規制要件を課します。
- 州証券規制機関: 一部の州には独自の証券規制機関があり、その州の境界内で運営する仮想通貨取引所に対して追加の要件を課す場合があります。証券トークンを提供する取引所は、州の証券法を遵守する必要があります。
アメリカの仮想通貨規制まとめ
全体的に、アメリカの仮想通貨関連企業やプロジェクトに対する規制は厳しく複雑です。仮想通貨取引所は、関連する法律や規制に準拠するために、連邦および州レベルのさまざまな規制をナビゲートする必要があり、なかにはアメリカでのサービス停止した取引所やプロダクト、プロジェクトも多くあります。これらの規制は投資家や消費者を保護するために正当化されていますが、仮想通貨の世界を思いきり探検したいアメリカの投資家にとってはフラストレーションを感じる時もあると思います。
しかし、逆にこの厳しいアメリカでの規制に対応することで、機関投資家や各国政府の信頼を得ようとする動きもあります。今も裁判や法案がリアルタイムが進んでいるアメリカでの仮想通貨の規制について、わかりやすくお伝えしていきます。
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