2024年の仮想通貨業界で一番のトピックのひとつがETFです。ビットコインの価格と連動するETFがアメリカで1月に11個承認されました。
ETFの承認は大きく二つのことを意味すると言われます。
ひとつは、「投機」と見られてきたビットコインがアメリカの投資家にとって「投資」の対象として、メインストリームの選択肢の一つになったということを示しています。仮想通貨取引所に口座開設したり、ビットコインを直接保有しなくても、「フツーの投資家」が気軽にビットコインに投資することができるようになったのです。これは仮想通貨の「マス・アダプション」の始まりだといえます。
ふたつめは、ETFによってビットコインに機関投資家による資金が流入するため、今後大きな値崩れがしづらくなるのではないかということです。
アメリカでのビットコインETF
アメリカで現在取引されているビットコインETFには以下のようなものがあります。キャシー・ウッドのARK、ブラックロック、グレイスケールなどの投資界の超大物が名を連ねています。
- ARK 21Shares Bitcoin ETF (ARKB)
- Bitwise Bitcoin ETF (BITB)
- Blackrock’s iShares Bitcoin Trust (IBIT)
- Fidelity Wise Origin Bitcoin Trust (FBTC)
- Franklin Bitcoin ETF (EZBC)
- Grayscale Bitcoin Trust (GBTC)
- Hashdex Bitcoin ETF (DEFI)
- Invesco Galaxy Bitcoin ETF (BTCO)
- VanEck Bitcoin Trust (possible ticker: HODL)
- Valkyrie Bitcoin Strategy ETF (VBTC)
- WisdomTree Bitcoin Strategy ETF (BTCW)
ビットコインETFの買い方
上記のようなビットコインETFのは、SoFiやRobinhoodなどのアプリで簡単に買うことができます。
IRAなどの引退アカウントのなかでも購入することが可能です。
世界でのビットコインETFの現状
香港のビットコインETF
2024年4月香港はビットコインとイーサリアムの現物ETFを承認、上場しました。これは、アジア初のビットコインETF承認でした。6つのビットコインETFと1つのイーサリアムETFが上場されています。
ビットコイン現物ETF
- CSOPビットコイン現物ETF (3037)
- CMEビットコイン現物ETF (3038)
- VanEckビットコイン現物ETF (3039)
- TXOビットコイン現物ETF (3040)
- 富邦ビットコイン現物ETF (3041)
- HashKeyビットコイン現物ETF (3042)
香港のビットコインETFは、香港における機関投資家のみが購入可能です。個人投資家は、直接これらのETFを購入することはできず、中国本土の投資家も購入することができません。これらの理由から香港のビットコインETFの規模は米国のそれと比べると小さいものでした。
要素 | アメリカ | 香港 |
承認されたETF数 | 11 (2024年1月) | 6 (ビットコイン) + 1 (イーサリアム) (2024年5月24日現在) |
推定総資産額 | 500億ドル超 | データ未入手 (おそらく米国よりかなり小さい) |
市場規模 (1日の取引高) | 数億ドル | 数千万香港ドル |
対象投資家 | 機関投資家を含む幅広い層 | 主に機関投資家 |
市場へのインパクト | 大きい | 中程度 |
カナダ、オーストラリア、シンガポール、韓国、ブラジルなどでもビットコインETFの承認を求める声が大きくなってきており、今後結果が出ていくことになりそうです。
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